三日月を統べる太陽が、暗き月夜を焼きつくした時。
世に冠絶する覇業は産声を上げた。




第二章  三日月の旗下で





皇歴八七七七年 夏



序 戦場に仰ぐ月       それはきっと、残された祈りの欠片を叶えるから。 
1 獅子咆哮       獅子の挙げる猛々しい咆哮にも似ていた。 
2 信託の剣       「こうしてずっと、予は待っておるのだからな」 
3 外壁都市の城       司令官の力量を伺わせる完璧な夜襲だった。 
4 始動する策略       常勝なる者の自信と覇気に満ちていた。
5 その名を高く響かせよ       「貴方はせめて、敵にはならないで下さいね」 
6 臥竜の胎動       貴方たちは、誰ですか、と。
7 群雄演舞       戦の勝敗が完全に決した瞬間でもあった。
8 間隙       右肩ににすさまじいまでの熱が弾けた。
9 星の光を招く者       反乱の終焉を告げる狼煙だった。
10 落日の凱歌       「事情を、お教えしましょうか」 
11 神話の王の子守唄       「我が皇帝、我が君。覇者の王冠を戴く王」 
12 十字架上に誓う言葉       変わらない誓いの言葉を。
13 黎明の残照       「私はそう、信じてますから」 
14 王者は冠を捨て 
      貴方たちは何を望んでおられたのか。
15 始原の終焉       生涯忘れえぬ出会いだった。









  



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